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メディア――そこは最後のフロンティア。

ここはクイズ形式の例題を読み解いてみることで、
ネットやメディアに潜む罠について考えようというサイトです。
初めての方はぜひ「ご挨拶」を。
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例題
Aさんが自分の飼っているトリブルについてネットで調べていたところ、こんな記述を見つけました。

「野生のトリブルは糞をする時、仰向けに寝転がってする」

本当かなあと思ったAさん、念のためにネットで再検索してみました。すると確かに同様の記述が何件か見つかりました。ネットとは言え、いずれもちゃんと署名された記事です。

Aさんは思います。

「政治や株価についてなら情報操作もあり得るが、こんなことで嘘をついても誰も得しないだろう。勘違いにしては同じことを言っている人がたくさんいる。恐らく野生のトリブルは本当に、仰向けに寝転がって糞をするのだろう」

ここではこの情報が、情報操作目的で発信された意図的な嘘ではないものとします。果たしてAさんの考えは妥当でしょうか?


じつは――
そもそも「野生のトリブルは糞をする時、仰向けに寝転がってする」というのは、ある人(Xさん)の見間違いでした。Xさんはけして悪意があったわけではなく、たまたま勘違いしたに過ぎません。

が、Xさんのその勘違いにはちょっとした意外性があって、なおかつそこそこ真実味がありました。そのため、何人かのトリブル愛好家が思わずそれを真に受けて、自分のブログに転載したのです。Aさんが再検索した時にヒットした情報はそうした転載によるものでした。

しかし元をただせばそれらは全て、Xさんのたった一つの間違い情報が元であり、それが広まってしまっただけだったのです。


解説
情報源はただ1つなのに、あちこちで山彦のように反射されて、あたかもたくさんの情報源があるかのように錯覚してしまう。いわばエコー効果です。

情報は実体がありませんから無限にコピーが可能です。たくさん目にする情報だからと言って、それが正しいと思えるのは錯覚です。それらの大半がコピー情報であって、実際の情報元が1つか2つ程度なら、その程度の信頼性しかないわけです。

また、間違った情報が広がるという現象は、悪意の有無にかかわらず起こり得ることです。


ちょっと待った!
「記事には署名があったと書いてあったじゃないか」ですって? 間違い情報の発信者Xさんが署名をしたのは、あくまで自分自身のブログ内の1度切りです。その転載先については、署名したのは各記事の作成者が1度ずつです。

ネットにおいて非常によく転載記事を目にしますが、それら転載記事というものが本質的に「責任の所在が不明瞭なものである」ということを指摘しておきます。


筆者の見解
よく「情報源(ソース)を確認しろ」と言います。これは本来「情報源の示せない情報はデマである可能性が大きい」という意味なのですが、今回のように「実体は同一の情報源なのに、複数の情報源が同じ情報を発していると誤解してしまった」というケースを避ける上でも、やはり「情報源の確認」は情報に触れる際の必須事項なのではないでしょうか。

自動車の運転中は、事故を起こさないよう常に目視やミラーで周囲の確認を行います。ネットを利用している時も、適度に緊張感を持って情報の確認をしたいものです。だらだらネット・サーフは事故の元です。

またあなた自身がブログを持っていて、どうしても転載記事を書きたいのであれば、少なくともソースを示しましょう。情報元への礼儀云々だけでなく、今回のような錯覚を防ぐ意味もあります。


演習
以下の一文について考察してみてください。

Bさんがトリブルの生殖について観察し、結果をブログで発表しました。正しく観察出来たかどうかちょっと自信がなかったのですが、気になって調べたところ、Bさんと同じ観察結果をブログに書いている人がいました。




※解答例はこちら。

言うまでもなく、その観察結果はBさん自身のブログを丸写しで転載しただけかも知れません。であれば、Bさんの観察結果の裏付けにはなりません。山彦は、声を出した本人の耳にも聞こえるのだということを忘れないように。 もちろん、その人も自力で観察して、それでもなお同様の結果になった可能性も考えられます。

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