忍者ブログ
――あなたの情報力を試すサイト。
プロフィール
HN:
yoh
性別:
非公開
職業:
ソフトウェア開発業
趣味:
テニス、美術鑑賞、ひとり旅、オタク系全般
自己紹介:
しがない自営業のプログラマです。
バーコード
ブログ内検索
アクセス解析
メディア――そこは最後のフロンティア。

ここはクイズ形式の例題を読み解いてみることで、
ネットやメディアに潜む罠について考えようというサイトです。
初めての方はぜひ「ご挨拶」を。
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

例題
ある会社の人事担当者がAさんに、後輩のCさんについて聞いてみるとこんな評価が得られました。
 
Aさん「C君は発想が柔軟だが、ちょっと軽はずみなところがある」

念のためBさんにも同じ質問をしました

Bさん「C君は少し考え方が突飛なところがあるが、物事に積極的だ」
 
…あれれ、どちらも特に贔屓や悪意の込められた評価ではありませんが、何だか変ですね?


解説
・「発想が柔軟」と「考え方が突飛」
・「軽はずみ」と「積極的」

はそれぞれCさんの同じ性格について言っていると考えられます。しかし「発想が柔軟」「積極的」はいい印象を、「考え方が突飛」と「軽はずみ」は悪い印象を与えます。

同じような言葉なのに、一方は受け手にいいイメージを与え、もう一方は悪いイメージを与えている
ことに、まず気付いていただけましたか。

さらに言えばそもそも、言葉によっては最初からいいイメージや悪いイメージを言外に含んでいるということも言えそうです。

例題ではAさんもBさんも公平な人としましたが、それでもCさんと仕事をした経験から多少は主観が入るわけです。恐らくCさんの発想の柔軟さが、Aさんとの仕事ではプラスに、Bさんとの仕事ではマイナスに作用したのでしょう。それが言葉の持つ「いいイメージ」「悪いイメージ」を伴って表れ、同じAさんについての公平な評価なのにこうも噛み合わなくなってしまっているのです。

なお、もしCさんを気に入らない先輩であれば、わざと「Cさんは少し考え方が突飛で、ちょっと軽はずみなところがある」などと言ってしまいかねません。これを利用すると人の悪口が簡単に言えてしまうのですが、それは次の機会に。


ちょっと待った!
では話し手は悪い印象を与える「軽はずみ」という言葉を使ってはいけないのかというと、そうとも言えません。実際に職場でAさんのその性格が悪いほうに働いているようであれば、「積極的」でなく「軽はずみ」と評するしかないでしょう。
 
ただ話し手も受け手も、話し手の主観が言葉選びに影響すること、選ばれた言葉が受け手の主観に影響を与えることは意識する必要があります。


筆者の見解
言葉に言外の評価が含まれている以上、言葉の上っ面だけを追うのは誤解や偏見の元になります。もっと言えば、言葉というものが事実を正確に伝える道具として、思ったより当てにならないということかも知れません。

一方で、こうした言葉の選び方が、むしろ話し手の側の人格を読み取る鍵になることもありそうです。


演習
1~5については、同じような言葉で悪いイメージを含んでいるものを挙げてください。6~7については逆に、いいイメージを含んでいる言葉を挙げてください。

1・実直
2・まじめ
3・活用
4・禁欲的
5・働きかける
6・身内びいきする
7・馴れ馴れしい



※回答例はこちら。 
1・単純
2・生真面目
3・悪用
4・堅物
5・工作する
6・義理を立てる
7・気さくである

あくまで一例です。他にもあると思います。
PR
 HOME 
忍者ブログ [PR]